格安SIMは遅い?通信速度の仕組みと快適に使うコツ
「格安SIMは遅い」とよく言われますが、実際に遅くなる時間帯や理由には明確な仕組みがあります。この記事では、なぜ混雑時に速度が落ちるのかを回線の借り方から整理し、用途別に必要な速度の目安と快適に使うコツをまとめます。
格安SIMが「遅い」と言われる仕組み
多くの格安SIM(MVNO)は、自社で通信設備を持たず、大手キャリアの回線の一部を借りて提供しています。このとき借りているのは「帯域(データを流せる太さ)」であり、その帯域を同じ会社の利用者みんなで分け合う形になります。
イメージとしては高速道路の車線です。車線数(帯域)が決まっているところに車(データ)が集中すると渋滞が起き、速度が落ちます。利用者が少ない時間帯は空いているので速く、多い時間帯は混んで遅くなる、という違いが生まれます。
なぜ帯域を増やしきらないのか
帯域を借りるにはコストがかかるため、全員が同時に最高速度で通信できる量をつねに確保するのは料金の安さと両立しにくい面があります。安さと引き換えに混雑時の余裕が小さくなりやすい、という一般的な傾向です。
昼や夕方に遅くなりやすい理由
速度が落ちやすいのは、多くの人が一斉にスマホを使う時間帯です。一般に、通勤・通学の朝、昼休み、そして帰宅後の夕方から夜にかけて混雑しやすい傾向があります。
- 朝の通勤・通学時間帯(おおむね7〜9時ごろ)
- 昼休みの時間帯(おおむね12〜13時ごろ)
- 帰宅後から夜にかけて(おおむね18〜21時ごろ)
特に昼休みは利用が集中しやすく、体感差が出やすい時間帯とされています。逆に深夜や早朝など利用者が少ない時間帯は、比較的速度が出やすくなります。
用途別に必要な速度(Mbps)の目安
「速い/遅い」は数字だけでは決められません。用途によって必要な速度は大きく違うため、自分の使い方に足りているかで考えるのが現実的です。下の表は一般的に言われる目安で、あくまで幅として捉えてください。
| 用途 | 目安の速度 | メモ |
|---|---|---|
| メール・SNSのテキスト中心 | 1Mbps前後 | 画像が多いと重く感じることも |
| Web閲覧(画像多め) | 3〜10Mbps程度 | ページの重さで体感が変わる |
| 動画(標準画質・SD) | 1〜3Mbps程度 | スマホ画面なら十分なことが多い |
| 動画(高画質・HD/FHD) | 3〜5Mbps程度 | 止まりにくさは回線の安定性次第 |
| 動画(4K・超高画質) | 20Mbps前後〜 | 大画面や高精細向け |
| ビデオ通話(1対1) | 1Mbps前後〜 | 複数人の会議はさらに余裕が必要 |
こうして見ると、日常のWeb閲覧やSNS、標準画質の動画であれば、数Mbps程度の速度が安定して出ていれば大きなストレスなく使えることが多いとわかります。混雑時に一時的に速度が落ちても、用途に対して足りていれば体感の影響は小さくなります。
速度を確保する3つのコツ
1. サブブランドや自社回線系を検討する
大手キャリアのサブブランドや、自社回線を直接使うタイプのサービスは、混雑時間帯でも速度が落ちにくい傾向があるとされています。速度の安定を重視するなら、料金だけでなく「どの回線をどう使っているか」も選ぶ基準にすると良いでしょう。
2. 時間帯を意識して使い分ける
動画の視聴やアプリの大きな更新、写真・動画のアップロードなど、通信量が多い作業は混雑時間帯を避けると快適です。あらかじめダウンロードしておく(オフライン再生の準備をしておく)のも有効な工夫です。
3. Wi-Fiを併用する
自宅や職場に安定したWi-Fiがあるなら、積極的につないでモバイル回線の混雑を回避できます。データ使用量の節約にもつながるため、通信量の多い作業はWi-Fi環境で済ませるのが基本の考え方です。
注意
実際の速度は、時間帯・エリア・電波状況・利用する端末・その時のネットワーク状況などで大きく変動します。ここで挙げた数値や傾向はあくまで一般的な目安であり、すべての環境での実測値を保証するものではありません。
まとめ
格安SIMが遅くなるのは、借りた帯域を利用者で分け合う仕組みの上で、利用が集中する時間帯に混雑が起きるためです。まずは自分の用途に必要な速度の目安を知り、そのうえでサービスのタイプ・使う時間帯・Wi-Fiの併用を組み合わせれば、多くの場面で快適に使えます。数字だけにとらわれず、自分の使い方に合っているかで判断するのがおすすめです。